Japan Home & Building Show 2020 見どころ解説
2020年は新型コロナウイルスの流行により大変な年となりました。
人々の行動様式が変わる中、今後の建築・建材業界はどのようになっていくのでしょうか。
Japan Home & Building Show実行委員長である東京大学大学院 工学系研究科 特任教授 松村秀一氏に、今年の見どころなど、お話を伺いました。
東京大学大学院 工学系研究科 松村秀一氏
大きな変化が起きた2020年
現在の建築業界の動向は、いかがですか？
もちろん新型コロナウイルスの影響を受けていますが、旅行業界や飲食業界等ほどではないようです。直接、販売店に行って話を聞くことができなかったので、インターネット上で商品を探すお客様も急速に増えたようです。新しい営業形態をとる会社が出てきたとも聞いています。大きな変化ですね。
これまでとは、商談の仕方が変わってきているわけですね。
インターネットの発展もあって、以前より消費者が商品知識を得やすくなったことは間違いありません。しかし、その情報が信頼に足るものかどうかは、なかなか判断が難しいものです。インターネットからの情報だけではなく、直接話をしたり、実物を見て判断することも必要です。
今年も11月にJapan Home & Building Showを開催する運びとなりました。
「これまでは外出さえできなかったので、久しぶりの展示会だ」という方も多いと思います。例年にも増して、新しい商材を発見できる貴重な機会になると思います。
昨年（Japan Home & Building Show2019）の様子
ウィズ・コロナ時代のライフスタイル
今年のJapan Home & Building Showはどのようなものになりそうですか？
アフターコロナを見据えた展示が増えるのではないかと思います。建築業界全体でも、いわゆる「ウィズ・コロナ時代の建築」が注目されています。
昨年（Japan Home & Building Show2019）の様子
今年は、特集展示として「細菌・ウイルス対策特集」を企画しています。昨年の来場者を対象に行なったアンケートでも、ウイルス対策に関心が高い結果が出ています。
新型コロナウイルスによって、ライフスタイルが大きく変わりました。典型的な例は「テレワーク」です。オフィスの在り方が大きく変わりました。今後は、保育園や高齢者施設、集会施設など人が集まる場所でも、新しいスタイルが求められていくと思います。
確かに、今年になって、一気に生活スタイルが変わりましたね。
これからは、「ライフスタイルを選ぶ時代」になっていくと思います。以前の生活に戻ることはないでしょう。従来より、消費者が積極的に自分の人生を自ら選択するようになるでしょう。
そういった新しい「人生の編集行動」が普通になっていくと思います。建築の仕事も変わっていくでしょう。面白くなると思います。
豪華ラインナップの講演会
毎年、ご好評をいただいている講演会ですが、今年の講演内容は？
世界的な建築家である青木淳さんや、現在第一線でご活躍されている女性建築家の代表である乾久美子さんにご講演いただきます。
株式会社青木淳建築計画事務所
青木 淳 氏
乾久美子建築設計事務所
乾 久美子 氏
また、コンピューテーショナル・デザインの先頭を走る豊田啓介さん、ウィズコロナ時代とも非常に関係のある空調・熱関係の権威である田辺新一さんにもご登壇いただきます。
建築デザイン事務所noiz
豊田 啓介 氏
早稲田大学創造理工学部建築学科・教授
田辺 新一 氏
木質系の様々な講演もありますし、今後の国の政策や方針を伺う国土交通省や、経済産業省による講演もあります。
このような著名な方々の生のお話を聞ける機会は滅多にありません。展示と共に、講演も楽しんでいただけると思います。
昨年（Japan Home & Building Show2019）の様子
建築家だけではなく、多岐に渡るテーマの講演が企画されていますね。
どうしてもコロナ対策に注目されがちですが、現在の建築業界の状況を感じていただくこともできると思います。世界の建築の潮流はどのようになっているのか、ご来場いただくと理解が進むと思います。
実行委員長として、来場者される方へメッセージをお願いします。
Japan Home & Building Showは日本最大の規模を誇る建築、建材の展示会です。
これだけの数の商材を一度に見ることができる場はありません。インターネットでも商品のことを勉強することはできますが、実物を確認することはできません。
今年は、例年に比べてより一層、新鮮な気持ちでご覧いただけると思います。ぜひご来場ください。
見どころ満載のJapan Home & Building Show2020！
ぜひ、会場までご来場ください。
【来場に関するお問い合わせ】
日本能率協会 展示会来場者ヘルプデスク（K3クリエーション）
9:30〜18:00（土・日・祝日は除く）
TEL:03-6809-2707 E-mail:helpdesk@k3c.co.jp